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BRICSに激震!中東波及で市場・エネルギー・政局が同時に揺らぐ理由

BRICSに激震!中東波及で市場・エネルギー・政局が同時に揺らぐ理由

※本記事はTHE NEWSのアルゴリズムを用いて執筆されています。

この記事の概要

中東の緊張拡大が、BRICS諸国の市場、エネルギー供給、国内政治対応を一斉にかき乱している。中国の「報復」示唆、インドの大規模邦人帰還と株安、ロシアの輸出再編と海上護衛強化――同じショックが国ごとに別の処方箋を生んでいる。統一的な対処が見えないまま、世界の供給網とインフレ見通しにどんな波紋が広がるのか。この動きが意味するものとは。

中東情勢の波及でBRICS諸国(新興5カ国)が市場・エネルギー供給・政策対応を同時に揺さぶる

中東での緊張が広がる中、BRICS各国はエネルギー供給の確保、金融政策の見直し、国内政治対応を並行して進めている。中国の外交当局が原子力施設攻撃に対する「報復」の可能性を警告し、インドは大規模な邦人帰還と市場の急落に直面、ロシアは輸出フローの再編と海上護衛強化に動くなど、地政学リスクが即座に経済指標や安全保障措置に反映された。

こうした動きはBRICS内部での政策対応のばらつきを浮き彫りにしている。ブラジルは国内物価上昇と財政対策に追われ、ロシアはエネルギー供給の柔軟性と生産増を強調し、インドは帰国者対応と資源競売の拡大で国内経済の安定を図る。中国は地域フォーラムや国際資金調達で影響力を強める一方、南アフリカは党内の対立と治安対応が景気判断に影を落とす。

ブラジル

ブラジルでは物価の上昇と財政措置が同時に進行している。3月の速報的物価指標は0.44%上昇し、上昇の主因は食料価格の高騰である。中央銀行はインフレ見通しを引き上げ、その理由にイラン情勢の波及を挙げた。政府はフィンテックやベッティング業者、JCPへの課税などで約44億レアルの増収を見込む。為替は1ドル=約5.22レアルまで下落し、株価は1.6%上昇した。石油面ではペトロブラス(国営石油会社)がマルリム・スルで新油田を発見し、同社はフィネップと共同でバイオリファイナリー研究に3,000万レアルを配分した。最高連邦裁判所の判決により裁量的手当の上限が憲法上の制約を超える余地が生じる可能性もある。

ロシア

ロシアではエネルギー供給と輸送安全の確保が優先課題となっている。エネルギー相ノヴァクは輸出フローを必要に応じて再編する余力と柔軟性があると述べ、国有系の売り手は国際市場に割引なし、場合によってはプレミアム付きで原油や石油製品を供給していると指摘した。国内市場からの燃料流出を防ぐ措置が講じられ、海軍がロシア籍タンカーの護衛を行うと安全保障会議書記が発表した。天然ガス生産は年初の2か月で9%増の1,290億立方メートルに達し、ロススタット(ロシア統計局)の週次インフレ率は0.19%であったが、鉱工業生産は2月に前年同月比0.9%低下した。モスクワとカザフスタンとの貿易は約300億ドルに達している。

インド

インドでは邦人保護と国内市場の急変に政府が直結して対応している。モディ首相は閣僚安全保障委員会を主宰して西アジア情勢を点検し、外務省は2月28日以降約30万人が帰国し、死者6人、行方不明1人を確認したと報告した。地政学的リスクでセンセックス(ムンバイ株価指数)は一時約2,500ポイント、ニフティ(インド株価指数)は約775ポイント下落した。政府はジャーン・ダーン預金(普及型口座)が2.94兆ルピー超に達したと報告し、2025〜26会計年度に過去最多の200区画の鉱区を競売にかける方針を打ち出した。中央銀行を取り巻く金融環境では、米連邦準備制度理事会の政策金利据え置きも市場の注目点となる。国防相は国境連結強化に向け1,000件超のプロジェクトが進行中だと述べた。

中国

中国では外交的な牽制と経済的プレゼンスの強化が同時に進行している。外務省は中東の原子力施設が標的になれば報復が生じ得ると警告し、フィリピンでの米国による弾薬生産報道に懸念を示した。対日関係では日本に「誤りを正す」よう促し、経済・貿易協力の回復を求めた。海南でのボアオ・アジアフォーラムは地域の成長戦略を巡る議論の場となり、海南自由貿易港は特別税関運用開始以降、相当の関税免除を報告した。独BASF(独化学大手)は中国の大規模複合施設を本稼働させ、北京は2026年のグローバルサウス資金調達者フォーラムを主催しAIIB(アジアインフラ投資銀行)と協調して資本動員を図る。中国株は木曜に下落して引けた。

南アフリカ

南アフリカでは政党内対立と治安・賃金を巡る法的争いが政治不安を助長している。イースタン・ケープ州のANC州大会は裁判所の差し止め命令で中断され、リンポポ州でも同様の差し止め申立てが行われた。MK党は選挙戦略を打ち出し、政策を6月に精緻化する予定だ。ヨハネスブルグ市と市労組の賃金合意を巡りZilleが差し止めを求める緊急申立てを行い、ラマポーサ大統領はSAPS(南ア警察)の安定化に向けて動いたと報じられる。南アフリカ準備銀行は難しい利上げ判断を迫られており、南アフリカと中国はケープタウンで第9回二国間委員会を開催した。

エネルギー供給の緊張と輸送安全の悪化は世界の供給網とインフレ見通しに直接的な打撃を与える一方、BRICS内部では各国が個別対応に傾いており、統一的な対処を困難にする政策的矛盾が顕在化している。

ザ・
THE NEWS 記者
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