米の上乗せ関税検討をブラジル政府が「不当」と改めて断じ交渉継続を表明
ブラジル政府は14日、米通商代表部(USTR)の高官ジャミソン・グリーア氏との会合に臨み、米側が検討する自国製品への新たな上乗せ関税は不当であるとの立場を改めて明確にしました。
会合は、5月7日の両首脳による通商対話の枠組み合意成立以降で5回目の協議という経緯を経て、決定の最終期限を目前にしたタイミングで行われ、ブラジル側は対話を通じた解決を追求する姿勢を崩していないと説明しました。
開発・産業・商業・サービス省(Mdic)は声明で、USTRの勧告には技術的根拠が欠けており、新たな通商障壁の導入を正当化するものではないと強く主張したうえで、提示されている措置にはブラジル製品に対する25%の上乗せ関税案と、強制労働調査に関連するとされる12.5%の追加入税案の双方が含まれていると指摘しました。
同省に加え外務省(MRE)や大統領府特別顧問室の代表も会合に出席し、ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルヴァ大統領の指示としてワシントンとの対話を継続し、関税導入回避に向けて交渉による解決を図る方針が改めて示された形です。
政府内では、水面下の交渉について序盤の数カ月で一定の進展が見られた一方で、ここ数週間で米側の姿勢が硬化してきたとの評価があり、問題の性格は単なる技術的争点にとどまらず政治的判断が影響を与えているとの見方が広がっています。
これらの関税措置は、米国が米国通商法第301条に基づく調査から導出しているものであり、米側はデジタル貿易やPixのような電子決済システム、知的財産、エタノール市場へのアクセス、違法伐採への対応などをめぐり、ブラジルが米国の商業的利益に有害な慣行を採用していると非難していますが、ブラジル政府はこれらの主張に基づく通商措置の正当性を認めないと主張しています。
調査の結論と決定は15日とされ、米側は上乗せ関税の対象となる最終的な製品リストを公表する見込みである一方、予備勧告で挙げられた品目には航空機や農産物、工業用原材料が含まれているとされています。
全国産業連盟(CNI)の推計によれば、関税が確定した場合には約4,200品目に及ぶブラジルの輸出品が米国向けに影響を受け、影響額は総計でおよそ150億米ドルに達する可能性があるとされ、潜在的に影響を受ける具体例として銑鉄や木製の額縁、エチルアルコールが挙げられています。
ブラジル政府は今後も外交交渉を継続し、対話に基づく解決を堅持するとともに、万が一上乗せ関税が実際に実施された場合には報復措置を辞さない姿勢を維持しており、決定の行方は両国間の経済関係と政治的駆け引きの帰趨を左右する重要な局面となっています。