モスクワ州を襲った約400機規模のドローン攻撃
モスクワ周辺で19日夕から20日朝にかけ、約400機規模とされる無人航空機の大規模接近が検知され、住民や当局が緊迫した対応を迫られる事態となりました。
モスクワ市長セルゲイ・ソビャーニンの発表を基にTASSがまとめたところでは、19日夕から20日朝にかけてモスクワ州に向かう400機超のUAVが検知され、その大部分は遠方の接近地点で迎撃されたとされ、首都周辺に差し掛かった際には合計85機が撃墜されたと報告されています。
ロシア国防省は、19日午後8時から20日午前8時(GMT午後5時~翌午前5時)までの間に当直の防空部隊が381機のウクライナの固定翼無人航空機を迎撃して破壊したと発表し、撃墜はベルゴロド、ブリャンスク、ヴォルゴグラード、ヴォロネジ、カルーガ、クルスク、リペツク、オリョール、リャザン、スモレンスク、タンボフ、トゥーラ、モスクワ、クラスノダール各州ならびにクリミア、アゾフ海、黒海上空に及んだとしています。
各地の州当局も被害と迎撃状況を相次いで明らかにしており、ブリャンスク州境界付近では過去24時間で100機が防空により破壊されたと州知事が述べたほか、タガンログ周辺や南部ロストフ州の7地区上空で35機以上が破壊され、トゥーラ州で13機、カルーガ州で5機が迎撃されたと報告されています。
被害状況についてはモスクワ州のアンドレイ・ヴォロビョフ知事が、子どもを含む10人が負傷したと伝え、ドモデドヴォ地区長は6人が病院に搬送されそのうち1人は重体であると明らかにしたうえで、落下したドローンの破片が数軒の民家を損壊させ火災を引き起こし、一部のインフラ施設や集合住宅、商業施設にも損壊が生じたと述べています。
被害はモスクワ郊外のオジンツォヴォで自動車と民家が損壊した事例や、クラスノダール州イェイスクで破片により女性が負傷して病院に搬送された事例、ロストフ州ショロフスキー地区で破片が山火事を引き起こしたが鎮火し死傷者の報告はない事例などに及び、対応には緊急事態省の人員や警察、救急隊、各種対応チームが当たっているとされています。
物流面ではポドルスクのワイルドベリーズ運営の物流センターが通常稼働を続けているとされ、地区長はポドルスクへ向けた攻撃が朝に防空で撃退されたと述べ、同地域では死傷者の報告はない一方でボイラー室や民家、集合住宅数棟および数台の自動車が損壊したと伝えています。
今回の攻撃を受けてロシア捜査委員会はモスクワ州での大規模な民間目標に対する無人機攻撃について刑事捜査を開始したと発表しており、外務省特命大使ロディオン・ミロシュニクはウクライナがモスクワに向け約400機のドローンを発射したと断定する一方でロシアの防空が「これを消し去った」と主張し、今回の攻撃に対して特別な対応を行うと述べています。