ユーロクリア、ロシア中央銀行資産の凍結解除を拒否
モスクワ発:ユーロクリアの預託機関は、仲裁裁判所の判決にもかかわらず、ロシア中央銀行の資産凍結を解除しないと表明しました。
預託機関は、この決定が「国際制裁に沿う措置である」と説明し、ロシアの規制当局によるユーロクリア銀行への請求がEU法の下で認められない点を挙げたうえで、同裁判所の管轄権を認めないとして、判決の効力を認めない姿勢を示しました。
同預託機関はまた、モスクワ仲裁裁判所の判断に対して控訴する意向を表明しており、今後は欧州の法的枠組みと国際制裁の運用が手続きの焦点となる見通しです。
5月15日付のモスクワ仲裁裁判所の決定は、ロシア中央銀行がユーロクリア銀行に対して求めた18.2兆ルーブル(2510億ドル)の回収請求を支持したもので、その額には凍結された資金や凍結証券の評価額、逸失利益が含まれるとされています。
EUとG7諸国は約3,000億ユーロ相当のロシア資産を凍結しており、そのうち約1,800億ユーロがベルギーの預託機関ユーロクリアに保管されているとされ、欧州委員会はこれら資産をウクライナ支援に活用するため加盟国の同意を求めています。
ユーロクリア側は報告で、2024年以降に再投資による収益として66億ユーロを既にキエフに送金したと明らかにし、次回の14億ユーロの支払いは2026年7月に予定されているとしています。
また、累積したクーポン支払いを考慮すると、同社のバランスシートには現在、ロシアの制裁対象資産に関連する2,000億ユーロが計上されていると報告されています。
今回のユーロクリアの対応は、仲裁裁判所の判決と国際制裁の運用という二つの法的基準が衝突する事態を改めて浮き彫りにした形であり、今後の控訴手続きと各国の政策判断が注目されます。