ブラジル、規制された炭素市場に向け段階的な排出報告義務を提示
財務省は19日、重工業や石油・ガス、航空輸送を皮切りに温室効果ガス排出の段階的な報告義務を導入する暫定案を提示し、規制された炭素市場(SBCE)構築への一歩を明確にしました。
提示された暫定案は、重工業と石油・ガス、航空輸送を初期セグメントに位置付け、SBCEの一環として国内の二酸化炭素排出を監視・抑制・取引するためのルール整備を目指すモデルを示しています。
SBCEの常設技術諮問委員会(CTCP)に提示された提案では、企業の段階的参加を2027年から2031年にかけて想定しており、当初は排出量の測定と報告のみを義務付け、料金徴収や即座の排出削減義務は課さないと明記しています。
第一段階は2027年に始まり、大排出部門と見なされる企業が監視・測定・報告のプロセスを開始することになり、2029年の拡大では新たな工業・インフラ部門が加わり、最終段階は2031年に輸送部門を含める形で予定されています。
政府が提案する段階的モデルは各段階を4年と定めており、初年度に企業が監視計画を策定し、2年目と3年目にデータ収集と実効的な追跡を行い、4年目に規制市場内での排出枠配分ルールを定める手続きを想定しています。
提案では将来的に年間二酸化炭素換算1万トンを超える企業に報告義務を課す一方、2万5千トンを超える企業は排出上限や炭素クレジットによる補償の対象となる可能性が示され、政府はこの制度が影響を及ぼす企業は国内企業の0.1%未満にとどまる見込みだと説明しています。
財務省は部門指定に際して、エネルギー強度や排出規模、国際貿易への露出、企業の適応能力、監視の実現可能性といった技術的基準を踏まえ、他国での規制市場の事例も参照していると明らかにしました。
同省のカーボン市場特別局長、クリスティナ・レイス氏は「本モデルはブラジル経済の段階的移行を可能にするよう設計されている」と述べ、排出削減と経済競争力の維持という方針を背景に、セクターごとの技術基準と対話を重視して構築した点を強調しました。
同氏の説明は、移行を予測可能かつエビデンスに基づいて進めることを目的とした政府方針と直結しており、将来徴収される資金の75%を参加企業自身の技術的適応と環境移行に充てるという規定がそれを支える仕組みである点を示唆しています。
提案は現在、政府や生産部門、学界、市民社会の代表で構成されるCTCPで審査されており、審査後には7月に意見公募に付され、政府は2026年中に最終的な規則を公表して2027年の実施開始を見込んでいるとしています。
制度の実態は、排出を管理する経済的メカニズムとして、一定の限度を超えた企業が過剰な汚染を相殺するために炭素クレジットを購入し、より効率的な企業が市場でこれらのクレジットを取引することであり、こうした枠組みが企業の技術適応と市場競争力に与える影響が今後の焦点となる見通しです。