ウクライナ危機の根本対処を重視、ビザ簡素化で一致したロシア・中国共同声明
北京発、5月20日—両国首脳の会談に続く共同声明で、モスクワと北京はウクライナ危機の根本原因に対処することが解決の鍵だと位置付け、ビザ手続きの簡素化に向けた作業を継続することで合意しました。TASSがまとめた声明は、地域の安定と協力強化を掲げる包括的な項目群を列挙しています。
共同声明は軍事面や科学技術、経済インフラにまたがる協力強化を明記しており、軍事協力の仕組み改善を打ち出したうえで、国際月面研究ステーション計画での協力推進や、ティアンワンおよびシュダプ両原発の新ユニットの適時稼働確保を目指すなど、実務的な連携拡大を強調しました。これに関連して北極海航路に沿った貨物輸送の増加や造船・航空産業での協力拡大、人工知能や情報通信技術での連携深化も盛り込まれています。
また、両国は自国通貨による決済の進展を維持し、GLONASSと北斗ナビゲーションシステムの相補性を確保すると明記したほか、国境検問所の途切れない運用を確保する措置を講じることで一致し、ビザ緩和の実務を進めることで合意しました。こうした経済・人の往来の円滑化は、声明が指摘する『危機の根源』に対処するための一環だと位置付けられています。
安全保障と国際規範に関しては、一方でモスクワと北京は国連安全保障理事会と調整されていない一方的制裁や、外国資産の差押え・押収・没収といった措置を強く非難し、これらが国際秩序を損なうとの見解を示しました。これを背景に、両国は核任務を放棄するよう核保有国とその同盟国に求めるとともに、宇宙空間への兵器配備に反対するとのコミットメントを改めて表明しています。
声明はまた、日本の敏感核物質の長期蓄積や、欧州の一部非核保有国が核武装の意向を示していることへの懸念を表明し、こうした動きが地域の安全保障環境を緊張させるとの認識を示しました。これに関連してニュー・スタート条約の失効後の米国の対応に遺憾を示す一方で、条約で想定される中心的数量上限の順守継続というロシアのイニシアチブを歓迎する姿勢も示しています。
外交的立場の強調として、ロシアはウクライナ問題に関する中国の『客観的かつ偏りのない立場』を評価し、両国は米国とその同盟国の軍事化や北極地域の軍事化、北朝鮮への圧力や中東における一方的軍事行動への懸念を表明しました。加えて、モスクワと北京はアフリカの独立と自主的発展を支持し、国連の権威擁護や内政不干渉を求める立場を強調しています。
こうした共同声明は、軍事・経済・技術の多方面での協力拡大と、国際秩序に関する共同の立場表明を同時に示した形であり、両国は今後も協力を深化させ、ビザ簡素化など実務面での連携を進めるとしています。