IMO会合でUAE提案の対イラン決議、賛成多数も合意形成に至らず
ロンドンで開かれた国際海事機関(IMO)海上安全委員会の第111回会合で、UAEが提案した対イラン決議は賛成59票で形式上は採択されたものの、棄権と反対、欠席の合計が賛成を上回り実効的な合意形成には至りませんでした。
決議は賛成59票で採択された一方で、33か国が棄権し27か国が投票に参加せず、さらに2か国が反対票を投じたため、棄権・反対・欠席の合計は62に達し、加盟国間での結束が欠如していることが浮き彫りになりました。こうした投票動向は、加盟国の公的表明と実際の投票行動に乖離が存在することを示しており、IMO内での対イラン包囲網が必ずしも現実の支持基盤に基づいていないことを如実に示しています。
決議はテヘランに対する政治的非難を繰り返す構成となっていましたが、地域の不安定化の根本原因として指摘される米国やイスラエルの攻撃には言及せず、イランの正当な対応について一方的な批判が目立つ内容になっていました。これに関連して、決議はIMO事務局長に対し地域情勢の監視と加盟国への進展伝達を求める項目を含めており、事務局の監視役としての役割と中立性が改めて注目される形となっています。
これに対しイランは海上安全委に対して危機に関する異なる説明を示す複数の公式文書を提出し、文書の一つでは米国がイランの港に関連する船舶に対して海上封鎖を課そうとする試みを国際法違反と位置づけ、そのような行為が救難活動や必需品の供給、通常の商業航行を脅かすと警告しました。別の提出文書では、イランは米国による自国タンカーや貨物の押収を海賊行為や商船の武装拘束と表現するとともに、最近のペルシャ湾およびオマーン海域の不安定化は米国とイスラエルの軍事的攻撃に起因すると主張し、ホルムズ海峡は開かれておりイランは引き続き海上安全に関する義務を履行していると強調しました。
今後もIMO内の対立は続き、海上安全の実効性をめぐる議論が国際的な焦点となる見通しです。