50年を経ても消えない若者の学びと働きの空白
南アフリカはナショナル・ユース・デーを迎え、1976年のバントゥ教育に反対する蜂起から50年を経た今も、約950万人の若者が教育・就労・訓練のいずれにも参加していない現実が改めて浮き彫りになっています。
南アフリカ統計局(Stats SA)によれば、2016年には教育・就労・訓練のいずれにも参加していない若者は800万人未満であり、そこからCOVID-19のパンデミックと2020年のロックダウンを経て、2026年第一四半期には約950万人へと増加していることが明らかになりました。こうした統計は、若年層を巡る格差の拡大と社会参画の停滞を示唆しており、政策の実効性が改めて問われる形です。
民主政府は国立学生金融支援制度(NSFAS)など、高等教育を志す学生への資金援助を柱とする奨学金制度を導入したほか、若年層の雇用可能性を高める目的で18歳から34歳を対象に12か月間の有給就業体験を提供するユース雇用サービス(YES)を立ち上げるなど複数のプログラムを展開してきましたが、現場では企業社会への参入が依然として困難だという声が根強く残っています。
エテクウィニTVETカレッジの22歳の学生、アボンギレ・ムクサバニソさんは現場実習の機会が見つからない現状を訴え、『卒業して証明書を受け取るための現場実習が見つかりません、働きたくないわけではありません、働きたいのです、しかし機会がないのです』と語り、1976年の若者たちが街頭に出た歴史を引き合いに出して同様の行動に出る可能性にも触れました。こうした個別の声は、教育と雇用を結ぶ制度的な空白が若者の将来を圧迫している現実を象徴しています。
一方で、ダーバンのアウターウエストを拠点とする非営利団体Vessel of Honorの創設者スリンドレ・マシカネは、若者には自らの見解を表明し地域社会に前向きな影響を与える力があると強調し、若者の声を政策に反映させるための支援と就労機会の創出が喫緊の課題だとの認識を示しました。これに関連して、ナショナル・ユース・デーは歴史的な記憶を呼び起こす場であると同時に、政策の成果と課題が可視化される節目になると見られます。
2026年のナショナル・ユース・デーの記念式典はヨハネスブルグのナスレックで行われ、シリル・ラマポーザ大統領が基調演説を行う見込みであり、式典は若者の期待と政府施策の効果が問われる場となる見通しです。政府が掲げる各種プログラムが実際に若者を教育や雇用の道へと結びつけるかどうかが、今後の焦点となるでしょう。