署名後も溝残る米・イラン覚書、予定協議は延期され先行き不透明
スイスで金曜に予定されていた米・イラン協議は、両首脳による覚書の電子署名からわずか一日後に延期され、合意の履行と今後の交渉に疑問符が付された形です。
米、イラン、パキスタンは週明け早朝に覚書の文面が最終化されたと発表し、その全文はイラン大統領と米大統領が木曜に署名して初めて公表されたという経緯を経て、両国は最長60日間の正式協議を行う枠組みを確認したうえで今回の合意に至った形です。
覚書は、全戦線での軍事行動停止の約束、海上安全と航行の確保、イラン復興のための経済支援と審査された計画、制裁解除、核関連の具体的実行メカニズムなど複数の重要分野を網羅しており、米国は制裁解除や凍結資産の解放、原油輸出の例外許可を行う一方、イランは核兵器開発の不保持を再確認するとともに、IAEA監督下での現地でのダウンブレンドを最低限の方法論として受け入れるなど相互に譲歩を示したとの文言が盛り込まれています。
ただし、分析家らはこの覚書を最終的な和平の保証とは見なしておらず、双方の根本的対立点はなお残存していると指摘しています。ティクリート大学の教授が指摘するように、米国側の海上封鎖解除や復興資金、凍結資産の扱いといった譲歩は大きいものの、核計画の詳細や高度濃縮ウランの取り扱い、ホルムズ海峡の将来的管理や制裁解除の具体的手続きなど重要課題は先送りされており、これらは今後の交渉で重大な障害となる可能性があるという認識が広がっています。
協議の再延期は、技術的協議の日程が最終決定されていないというホワイトハウスの説明を受けたものであり、米側の代表団は出発の機会が得られ次第出発する用意があるとされる一方で、覚書署名から数時間後にレバノン南部で発生した新たな攻撃や複数の死傷者の報道が相次いだ点は、現場での緊張が直ちに収束していないことを浮き彫りにしました。
イスラエルが覚書の当事者ではないこと、しかし実質的にほぼすべての条項に影響力を及ぼす存在であることも不確定要素として指摘されており、専門家らは覚書が地域の安全保障環境を再構築する機会を提供する一方で、持続的な平和へと繋がる保証ではないとの見方を改めて示しています。
今回の枠組み合意が成功するか否かは、二か月以内にこれらの大まかな見出しが検証可能な詳細に翻訳されるかどうかにかかっており、過去の合意破棄の記憶と信頼の欠如が存在する現状では、いかなる行き詰まりも緊張再燃のきっかけとなり得ると分析家らは警鐘を鳴らしています。